バイク事故は、クルマの事故と比べるとちょっとした事故でも命の危険につながりやすく、生身の状態で衝撃を受けることになるために怪我が完全には完治しない可能性も高いことが特徴です。
後遺症として多いのは、手足の機能障害、むち打ち症、脳挫傷、臓器の損傷、顔に受けた傷などが挙げられます。
バイク事故で完全に回復しない場合でも後遺症のすべてが補償されるわけではなく、障害として等級認定を受ける必要があります。そのためには、自身がどのような後遺症を持っているのかを正確に把握する必要があります。
こちらでは、ざっくりとどのような後遺症があるかを解説します。
手足の機能障害
全身を打ち付けて神経を傷つけてしまった場合は、手足が固まって動かなくなったり、足や指を失ったり、関節が曲げにくくなったり、しびれが残ったりするケースがあります。このケースは特に細かく障害の等級が決まっています。このことから、バイク事故において頻度が多く、後遺症の現れ方が多様であることが伺えます。
臓器の後遺症
事故の衝撃で体を強打し、内臓まで傷つけてしまうこともあります。人体への影響と後遺症の種類も非常に多く、仕事に従事できなくなったり、食事・排泄・生殖機能がままならなくなったり、循環器への影響があると植え込み型除細動器やペースメーカーの使用を余儀なくされた場合など、胸腹部臓器の障害に関する障害等級認定基準は細部まで具体的に設定されています。
むち打ち症
首に衝撃が加わって、痛み・しびれが残る症状のことです。多くの場合は完治が見込めるのですが、損傷の程度が激しければ後遺症として痛み・しびれが残ってしまうこともあります。慢性的な頭痛・耳鳴りやめまい、吐き気といった症状が現れることもあります。
むち打ち症は自覚症状に留まることが多く、症状を証明できないケースがあります。むち打ち症だけを理由に障害等級として認定され、補償を受けるのは難しいでしょう。
脳挫傷・高次脳機能障害
バイクから飛ばされて頭部を強打すると、後遺症が大きく出てしまうことがあります。脳を損傷することで記憶力や判断力が著しく衰えてしまったり、攻撃的な反応を抑えられずにまともに働けなくなるといったケースもあります。「ここを損傷したら、こういう症状が必ず出る」と把握できるわけではないので、障害認定でもめることが多いタイプの後遺症でもあります。
外貌醜状(顔に受けた傷)
フルフェイスヘルメットを装着していない状態で大きな事故を経験すると、顔に大きな傷を負ってしまう可能性があります。傷跡の大きさによっては障害認定が下りることもあります。