バイクの事故が致命傷につながりやすいというのは感覚的に理解しているライダーも多いかと思います。こちらでは、バイクの事故に関して、保有台数や排気量にフォーカスを当てて比較してみます。
【排気量別】バイクの保有台数
2019年3月末現在、バイク・原付は全体で約1千53万台が保有されています。うち構成比は以下の通りです。
- 50cc以下:48.4%(約510万台)
- 551~125cc:17.0%(約178万台)
- 126~250cc:18.7%(約196万台)
- 251cc以上:15.9%(約168万台)
一方、自動車の保有台数は、2019年3月末現在で約8千178万円です。単純計算で比べると、バイクの7.7倍もの自動車が公道を走っていることになります。
バイクの事故と排気量の関係
事故については自動車のほうが圧倒的に多いので、自動車による事故のほうが多いと思われがちですが、保有台数に対する死傷者の割合でみると、そうでもない事実に気が付きます。
自動車もバイクも、保有台数に対する死傷者の割合に大きな差はありません。むしろ、バイク・原付のほうが死傷者の割合が高い状態ですし、重症者の割合でみるとバイクのほうがずば抜けて多いという点も見逃せません。126cc以上のバイクについては、1万人に1.2人が死亡しています。これは、自動車事故による死亡率の約7.5倍と言われており、車体に身体を守られていないバイクだからこその数値でもあります。
コロナ禍でバイクの死亡事故が増加傾向
新型コロナウイルスの影響で自宅待機が多かった2020年は特にバイクの事故が増加しました。交通事故そのものは減少傾向であるにも関わらず、バイクおよび自転車の事故が増加したのです。特にバイク事故は2019年と比べると3倍以上と大幅に増加してしまいました。
原因としては2つ考えられます。1つは、自粛により自動車が減ったこともあって公道でスピードを出しやすくなったことです。
もう1つは、自粛に耐えかねて気晴らしにツーリングをする人が多くなったことが挙げられます。ステイホームにうんざりしたライダーたちが遠乗りに繰り出そうと考えるのは極めて自然なことです。実際、ツーリングで人気な北海道や神奈川県でのバイク事故が特に増えていることも、「自粛ストレス解消のためのロングツーリング」中に起きた悲劇であることを伺わせます。